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耳鼻咽喉科について

耳鼻咽喉科イメージ

当院の耳鼻咽喉科では、日本耳鼻咽喉科学会認定 耳鼻咽喉科 専門医が、「みみ・はな・のど」に関する各種疾患の診療を行います。様々な症状に対応いたしますので、体調に何らかの不安を感じた場合は、お気軽にご受診ください。

以下のような「みみ・はな・のど」の症状がある場合はご相談ください

みみの症状
  • 耳、耳周辺に痛みがある
  • 耳にかゆみがある
  • 耳だれがみられる
  • 耳垢がたまっている
  • 耳を耳かきなどで突いた、出血した
  • 耳がつまった感覚がする
  • よく音が聞こえない
  • 耳鳴りがする
  • めまいがする(浮遊感や回転感)
  • など
はなの症状
  • くしゃみが頻繁に出る
  • 鼻みずが止まらない
  • 鼻づまりで苦しい
  • 鼻の中がかゆい
  • 鼻が腫れた
  • においがよくわからない
  • 鼻や頬に痛みがある
  • 鼻血が出る
  • など
のどの症状
  • のどに痛みがある
  • のどに違和感がある
  • のどがつまった感じがする
  • のどが腫れたようだ
  • 口が乾く
  • 口臭がある
  • せきが止まらない
  • 度々熱が出る
  • ゼーゼーとした呼吸音がする
  • 声がかすれる
  • 飲み込みづらい
  • 鼾が気になる
  • など

耳鼻咽喉科で診療する主な疾患

耳の疾患

耳の疾患イメージ

外耳疾患

先天性耳瘻孔

胎生期の耳介癒合不全が原因で残存した盲管を先天性耳瘻孔、耳瘻管といいます。

症状

症状がなければ、治療の必要性はありませんが、感染がおこると化膿性炎症を症じ、発赤、腫脹、疼痛を生じます。

治療

感染時には抗生物質、消炎剤の投与や、腫れが強い場合には瘻孔の洗浄や切開による排膿を行う場合があります。繰り返す場合には瘻管摘出術が検討されます。

耳垢栓塞

外耳道に耳垢が詰まった状態。

症状

外耳道が閉塞すると伝音難聴を生じます。

治療

鉗子や吸引器などで耳垢を除去します。固く詰まっており、除去が困難な場合には耳垢を柔らかくする点耳薬を用いてから除去します。

外耳道炎

外耳道軟骨部の皮膚にある皮脂腺などに感染が起こった状態です。耳掃除や中耳炎による耳漏などの刺激が原因となります。軽度であれば掻痒や軽い痛みを伴い、重度の場合は強烈な耳痛や発熱などを生じることがあります。

治療

刺激を避け、安静にすること、外耳道の清拭を行い、局所的な抗菌療法や全身的な抗菌療法を行う場合があります。

中耳疾患

中耳炎

中耳炎とは、鼓膜の奥にある中耳が炎症を起こした状態で、耳の痛み 発熱 耳漏(耳だれ) 耳づまり 聞こえが悪いなどの症状が現れます。中耳炎には、急性中耳炎、滲出性中耳炎、慢性化膿性中耳炎(単純化膿性中耳炎、真珠腫性中耳炎)などが臨床的に多く見られます。

急性中耳炎

急性中耳炎は、細菌やウイルスなどの病原体が炎症を起こす病気です。

症状

急性中耳炎の代表的な症状は、耳の痛みと圧迫感です。その他、発熱、耳だれ、耳が詰まった感じや聞こえづらいといった症状も現れます。乳幼児の場合は、痛みをうまく訴えられず、機嫌が悪くなったり、泣いたり、耳を引っ張ったりこすったりするなどの行動が見られることがあります。

原因

急性中耳炎の多くは鼻や喉にいる病原体が耳管を通って中耳に感染することで起こります。肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラキセラカタラーリス、黄色ブドウ球菌などの感染が主な原因となります。風邪などの感染後に発症することが多く、中耳に滲出液や膿が溜まります。子供は、耳管が短く水平なため、急性中耳炎になりやすい傾向があります。

治療

軽症の多くは、自然治癒も期待できるため、まず、安静や鎮痛薬などの対症療法を行います。細菌感染が疑われ、症状が中等〜重症の場合は、抗菌薬の内服を中心とした治療を行います。鼓膜の発赤や膨隆が著明で、高熱や疼痛などの症状が強い場合には鼓膜を切開し、中耳腔に溜まった膿を取り除き、症状を緩和させたり、起炎菌を検査する鼓膜切開術を行うこともあります。

滲出性中耳炎

滲出性中耳炎は中耳に滲出液が貯留し、鼓膜の動きが悪くなり、難聴が生じる病気です。

症状

急性中耳炎とは異なり耳痛は認めません。難聴のほか、耳が詰まったような感覚である耳閉感や、耳鳴り、自声強調(自分の声が大きく聞こえる)などを訴えることがあります。乳幼児の場合は、テレビの音を大きくする、呼びかけても返事をしないなど、難聴による症状が見られる場合があります。

原因

滲出性中耳炎は、中耳腔と上咽頭をつなぐ耳管の狭窄や閉塞、中耳の炎症、耳管の機能不全などが原因となります。中耳腔の内圧の低下中耳腔へ滲出液が貯留し、滲出性中耳炎を引き起こします。耳管の機能障害を引き起こす原因としては、アデノイド肥大、風邪、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、上咽頭癌などの腫瘍性病変、若年であることや、逆に加齢などが挙げられます。また、急性中耳炎の治癒が不完全な場合に滲出性中耳炎が続発することもあります。

治療

滲出性中耳炎の治療の基本は、原因疾患の治療です。症状が改善しない場合は、鼓膜切開を行い、滲出液を排出します。さらに、鼓膜切開後に鼓膜換気チューブを留置して、中耳の換気を維持することもあります。アデノイド肥大が原因の場合は、アデノイド切除術を検討することもあります。

慢性化膿性中耳炎

慢性化膿性中耳炎とは、中耳の感染や炎症が慢性化している状態です。鼓膜に穴が開いてふさがらない状態となることが多く、難聴の原因となり、また穿孔からの耳漏(耳だれ)が断続的に持続することがあります。

症状

慢性化膿性中耳炎の主な症状は 難聴と繰り返す耳漏です。その他、耳鳴りや耳閉塞感を伴うこともあります。難聴は、初期は伝音難聴ですが、炎症が内耳に波及すると感音難聴も合併し、混合難聴となります。感音難聴と同時にめまいが生じるようになることもあります。

原因

慢性化膿性中耳炎は、重症の急性中耳炎後の不完全な治癒、胎生期、乳児期に急性中耳炎に罹患し、側頭骨の発育が抑制されたことによる炎症に対する抵抗力の低下、鼻・副鼻腔、口蓋、咽頭扁桃の慢性炎症、抗菌薬に抵抗性の高い起炎菌の混合感染、基礎疾患による抵抗力の低下など原因で起こります。

治療

慢性化膿性中耳炎の治療は、抗菌薬の点耳薬、重症の場合は内服薬を使用します。また外耳から中耳腔を洗い流す耳洗浄をおこないます。これらによって細菌の除去と炎症を抑えることが第一ですが、根本的に病態を改善させるためには手術が必要となります。手術では、細菌が棲み着いた骨の空洞を清掃し(乳突洞削開術)、鼓膜を再建し(鼓膜形成術)、音を伝える耳小骨が障害されている場合には耳小骨を再建する手術(鼓室形成術)を行います。

真珠腫性中耳炎

真珠腫性中耳炎は、外耳道表皮が鼓膜の内陥や鼓膜の穿孔縁から中耳に入り込み、そこに溜まり、落屑した表皮が蓄積し、真珠のように見えることから名付けられた慢性化膿性中耳炎の一種です。真珠腫自体は腫瘍ではありませんが、周囲の骨を溶かしながら増大し、様々な症状を引き起こします。生まれつき生じている先天性真珠腫と、出生後に生じた後天性真珠腫があり、後天性真珠腫には、鼓膜上方の弛緩部から発生する弛緩部型真珠腫と、鼓膜緊張部の後上部から発生する緊張部型真珠腫があります。

症状

初期には、膿や血が混じった臭いのある耳だれや耳の痛みが出ることがあります。真珠腫が進行すると、耳小骨が破壊されて難聴が起こります。さらに、めまい、顔面神経麻痺、味覚障害などが現れることもあります。重症化すると髄膜炎や脳膿瘍などの生命に関わる合併症を引き起こす可能性もあります。

原因

慢性化膿性中耳炎が進行し、全てが真珠腫性中耳炎になるわけではなく、明確な原因は解明されていませんが、耳管機能の不全、乳突蜂巣の発育不良、さらに後天性真珠腫に関しては、小児期の急性中耳炎や滲出性中耳炎を繰り返していたことなどが関与していると考えられています。鼻をすする癖も原因の一つとして挙げられています。鼓膜弛緩部や緊張部の辺縁性の穿孔などは真珠腫を形成しやすい所見とされています。

治療

真珠腫性中耳炎の治療は、初期段階であれば、薬物療法や処置などで進行を抑制できる場合もあります。ただし根本的な治療とはならないため、基本的には治療は手術によって行われます。真珠腫の摘出と、破壊された耳小骨の再建を行います。真珠腫は再発の可能性が高く、術後も長期間の経過観察が必要です。

難聴

聴覚障害・補聴器相談

鼻の疾患

鼻の疾患イメージ

急性鼻炎

急性鼻炎は、鼻の粘膜に急性の炎症が起こる状態で、一般的に鼻風邪とも呼ばれるものです。

症状

鼻水、鼻詰まり、くしゃみ、嗅覚異常、鼻の粘膜の痛みなどが現れます。また発熱、頭痛、全身倦怠感などを伴い、かぜ症候群の全身症状の一部として現れたり、前駆症状、後遺症としてみられることもあります。

原因

主な原因はウイルス感染で、風邪の原因となるウイルスが急性鼻炎を引き起こすことがほとんどです。原因となるウイルスとしては、大人ではライノウイルスの感染が多く、小児ではRSウイルスが主要な原因となります。そのほか、インルフエンザウイルス、ピコルナウイルスや細菌による二次観戦では連鎖球菌、ブドウ球菌、肺炎球菌などが原因となります。ホコリ、粉塵、化学物質なども原因となることがあります。

治療

ウイルスが原因の場合、根本的な治療薬はないため、ほとんどの場合、対症療法が中心となります。細菌感染が疑われる場合は抗菌薬が処方されることもあります。急性鼻炎は通常自然に治癒しますが、急性中耳炎や急性副鼻腔炎などを併発する可能性もあります。症状が長引く場合は、お気軽にご相談ください。

慢性鼻炎

慢性鼻炎は、鼻の粘膜に長期間炎症が続く病気です。鼻の粘膜が腫れることで、空気の通り道が塞がり、様々な症状が現れます。慢性単純性鼻炎や慢性肥厚性鼻炎といった種類があります。

症状

慢性鼻炎では空気の通り道が狭くなるため、特に鼻づまりが慢性的に続きます。慢性単純性鼻炎の場合、血管拡張により一過性に鼻づまりが生じ、肥厚性鼻炎の場合は持続性となります。また、副鼻腔炎と比較すると鼻漏の程度は少ないことが多く、粘性のある鼻漏がみられます。さらに後鼻漏(鼻水が喉に流れる症状)、頭痛、のどの不快感、嗅覚障害などの症状が出る場合があります。

原因

慢性鼻炎の原因は多岐に渡ります。大気汚染物質、乾燥、粉塵、化学物質などの外界からの反復性の刺激、細菌感染、感冒や糖尿病、肝臓病、心不全によるうっ血などの全身疾患、アデノイドや副鼻腔炎などの周囲組織の疾患、アレルギー体質なども原因となる場合があると考えられています。

治療

慢性鼻炎の治療法として中心となるのは薬物療法で、粘膜の収縮、分泌の抑制を目的にステロイド剤や血管収縮剤などを点鼻薬や内服薬として使用しますが、血管収縮剤の乱用により薬剤性鼻炎を引き起こすこともります。このほか、薬物療法で効果がない肥厚性鼻炎の場合は、腫れた粘膜や、粘膜下に鼻甲介骨を切除し、鼻腔の気道を確保する手術療法があります。鼻中隔弯曲症がある場合は、凹側の鼻甲介入が代償性肥大する場合があり、同時に鼻中隔矯正手術を行うこともあります。さらに慢性鼻炎では明確な原因が不明なことが多く、原因となりうる生活習慣の改善が大切で、粉塵、タバコの煙、アレルギーの原因物質などを避けることも重要です。

アレルギー性鼻炎

花粉症・ハウスダスト・アレルギー治療

副鼻腔炎(非好酸球性副鼻腔炎)

ヒトの頭蓋、顔面骨には鼻腔に繋がる呼吸上皮に覆われた空洞が存在しており、副鼻腔と呼ばれ、解剖学的に前頭洞、篩骨洞、上顎洞、蝶形骨洞の4種類に分類されています。副鼻腔の粘膜は線毛上皮の働きにより、常に自浄作用が働いていますが、副鼻腔炎では、炎症により粘膜の障害が起こり、副鼻腔に膿汁や浸出液が貯留してしまいます。副鼻腔炎は、その症状の持続期間により、急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎に分けられます。

症状

急性副鼻腔炎では、鼻づまり、膿性の鼻汁、頬・鼻周囲・額の痛み、顔やまぶたの腫れ、発熱などの症状がみられます。慢性副鼻腔炎では、鼻づまりや膿性の鼻汁のほか、嗅覚低下、鼻内の異臭、頭重感、後鼻漏などが現れる場合があります。

原因

多くの場合、風邪などの上気道感染を契機に、鼻粘膜から副鼻腔に炎症が波及することで発症します。急性副鼻腔炎は、風邪などのウイルス感染に引き続いて細菌感染が副鼻腔に起こり発症することが多く、炎症の持続により副鼻腔内に膿がたまります。多くは1ヶ月程度の経過で治癒しますが、3ヶ月以上症状が遷延したものは慢性副鼻腔炎と定義され、急性副鼻腔炎が治りきらずに慢性化したもの、あるいは感染を繰り返した場合に起こります。細菌感染以外に、真菌(カビ)、歯性(歯の感染)、アレルギー素因なども原因となります。

治療

急性副鼻腔炎の治療は、抗菌薬や消炎鎮痛薬、排膿を促す薬剤などを内服、ネブライザー療法などで使用します。慢性副鼻腔炎の治療は、副鼻腔内の線毛運動を促す目的でマクロライド系抗菌薬を少量で長期間使用します。また、炎症を抑えて粘膜の状態を改善する目的で粘液溶解薬を併用することもあります。これらの保存的治療を3ヶ月以上施行しても効果が乏しい場合はその後も治療を継続しても治癒する確率は低くなるため、内視鏡下鼻副鼻腔手術などの手術療法が行われることがあります。昨今では急性副鼻腔炎に対して手術療法を行う機会は減りましたが、視神経や眼窩内の合併症を伴う場合は緊急手術が行われる場合があります。

好酸球性副鼻腔炎

先に述べた慢性副鼻腔炎の中でも1990年代後半より増えてきた慢性副鼻腔炎の概念で、両側の鼻の中に多発性のポリープ(鼻茸)ができ、手術を行なったとしても再発しやすい難治性の副鼻腔炎です。顕微鏡検査では鼻茸内に多数の好酸球の浸潤がみられ、ムチンを含む粘稠な鼻汁が貯留します。アレルギー疾患に関連することが多いといわれる2型炎症が関わっているとされ、成人後に発症し、気管支喘息やアスピリン不耐症、NSAIDsアレルギー、好酸球性中耳炎の合併症例が多く、鼻茸は篩骨洞優位に発生するため、匂い物質を受容する嗅上皮が存在する嗅裂を早期に狭窄し、嗅覚障害を起こします。ステロイドの全身投与に効果がありますが、ステロイドの長期投与は副作用の問題から施行し難く、内視鏡下鼻副鼻腔手術で鼻腔に充満した鼻茸を摘出し、副鼻腔の隔壁を切除し、断続的なステロイドの使用や鼻洗浄療法を継続することで病状をコントロールします。手術後にも重症な鼻茸の再発が生じる症例では分子標的薬であるヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクロナール抗体での治療も保険適応となります。

鼻血(鼻出血)

鼻血はお子様から大人の方まで一度は経験するともいえる出血の一つです。鼻をぶつけたときや強く鼻をかんだときなど、様々な原因がありますが、血管や血液に関連する病気が潜んでいることもありますので注意が必要です。

症状

鼻血の主な症状は、鼻腔からの出血です。出血量が多い場合は、立ちくらみ、息切れ、めまい、ふらつき、頭痛、胸の痛みなどの貧血症状を呈することもあります。ほとんどの場合、圧迫止血で自然に止まります。

原因

鼻出血の原因は様々ですが、最も多いのは、キーゼルバッハ部位と呼ばれる、鼻の入り口付近にある毛細血管が集中している部分の損傷です。この部位は、鼻をほじる、強く鼻をかむ、くしゃみをするなどの物理的な刺激を受けやすく、出血しやすくなっています。のぼせや咳などによる血圧上昇でも出血する場合があります。物理的な刺激以外では、アレルギー性鼻炎、鼻腔や副鼻腔の腫瘍、上顎洞癌などの鼻の病気や、高血圧、糖尿病、肝臓病、血栓症、血液疾患(白血病、血友病など)などの全身の病気、さらには血液をサラサラにする薬(抗凝固薬、抗血小板薬など)の影響や家族歴がある場合には遺伝性出血性毛細血管拡張症(オスラー病)が原因となっている場合があります。

治療

鼻出血の治療法は、出血の程度や原因、出血部位によって異なります。一般的な治療法としては、圧迫止血、出血点の焼灼、ガーゼによる圧迫止血などがあります。圧迫止血では、座った状態で軽くうつむき、親指と人差し指で鼻翼だけでなく鼻の下方1/3を両側からしっかりとつまみます。10~20分(5分以上)ほど強くつまみ続けることで、多くの場合、出血が止まります。ただし出血がひどい場合や、上記の治療法で効果がない場合は、お早めにご受診ください。

鼻中隔弯曲症

鼻中隔弯曲症とは、鼻腔(鼻の穴の中)を左右に分ける壁である鼻中隔が曲がり、左右どちらかの鼻腔が狭くなった状態です。ほとんどの人で鼻中隔は多少なりとも曲がっていますが、弯曲が強く、鼻づまりなどの症状が出る場合に鼻中隔弯曲症と診断されます。

原因

鼻中隔は骨と軟骨と両側の粘膜で構成されています。思春期までの発育過程で、骨と軟骨の成長速度が異なるため、位置調整のために軟骨部が曲がることで鼻中隔弯曲が起こるとされていますが、はっきりとした発生の原因はよくわかっていません。。

症状

鼻中隔弯曲症の症状は、鼻閉、息苦しさ、嗅覚障害、頭痛などです。弯曲と自覚症状の程度は必ずしも一致はしません。鼻中隔弯曲症自体では鼻水やくしゃみは生じませんが、鼻中隔弯曲によって鼻腔が狭くなると、鼻粘膜が刺激を受けやすくなり、鼻血が出やすくなるほか、炎症を起こしやすくもなります。また、凹側の鼻甲介は代償性腫脹により肥厚性鼻炎を起こすこともあります。その結果、アレルギー性鼻炎の症状が悪化したり、副鼻腔炎などの合併症を起こしやすくなったりすることがあります。

治療

症状が比較的軽く、アレルギー性鼻炎などを併発している場合は抗アレルギー薬、抗ロイコトリエン薬、ステロイド噴霧薬などによる薬物療法で鼻閉などの症状を軽減させます。薬物療法で効果がない場合や、症状が重い場合は、鼻中隔矯正術を行います。鼻中隔矯正術は、曲がった軟骨や骨を切除して鼻中隔の形を整える手術です。鼻中隔彎曲症は、慢性副鼻腔炎や睡眠時無呼吸症候群などの合併症を引き起こす可能性があります。

のどの疾患

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急性扁桃炎(急性咽頭炎)

のどの奥(中咽頭)に左右一つずつ局在している口蓋扁桃をはじめ、消化器、呼吸器の入口部にはワルダイエルの咽頭輪といわれるリンパ組織が輪状に存在しており、一般的に「扁桃」とも呼びます。リンパ球を産生したり、抗体を形成し免疫を獲得したり、感染を咽頭に局在化させるなどウイルスや細菌に対する防御機構を持っています。俗に扁桃腺と呼ばれることがありますが、主な働きはリンパ組織であるため、この呼称は医学的には正しくありません。急性扁桃炎は、口峡、咽頭の粘膜、リンパ組織の急性炎症を指します。

症状

急性扁桃炎では、喉の痛み、飲み込みにくさ、発熱、全身倦怠感、食欲不振、首のリンパ節の腫れなどがみられます。症状が強い場合は、飲食ができないほどの痛みが出ることもあります。小児の場合、口から栄養をとることが難しくなり、脱水症状を引き起こすこともあるため注意が必要です。

原因

急性扁桃炎の原因は、主にウイルスや細菌の感染です。細菌感染の場合は、ほとんどが溶連菌(溶血性連鎖球菌)によるものです。その他、ブドウ球菌やアデノウイルス、淋菌、クラミジアによる感染症も原因となることがあります。

治療

ウイルス性の扁桃炎の場合は、対症療法が中心となります。細菌性の扁桃炎の場合は、抗菌薬を用いた治療が有効です。急性扁桃炎で食事がとれない場合は点滴が必要になる場合や、入院が必要になる場合もあります。

扁桃周囲膿瘍

扁桃周囲膿瘍は、口蓋扁桃に生じた炎症が悪化し、口蓋扁桃の周囲(扁桃周囲間隙、咽頭粘膜間隙など)に膿が溜まった状態です。

症状

扁桃周囲膿瘍の初期症状は、扁桃炎と類似しており、「強いのどの痛み」「高熱」「全身のだるさ」がみられます。しかし扁桃炎は両側性に発症するのに対し、扁桃周囲膿瘍は片側に強い痛みを感じる場合が多くなっています。膿瘍が大きくなると、口が開けにくくなったり、唾液も飲み込みづらくなったりします。また声がこもる、耳が痛む、口臭がする、首のリンパ節が腫れるといった症状がみられるようになります。さらに重症化すると、膿瘍が頸部の筋膜間間隙を介して拡大し、呼吸困難や窒息、縦隔膿瘍を引き起こす危険もあります。

原因

扁桃周囲膿瘍の原因は、複数の細菌やウイルスによる感染です。主な原因菌としては、急性扁桃炎と同様のレンサ球菌、ブドウ球菌などが挙げられます。これらの細菌やウイルスが口蓋扁桃に感染し、炎症を起こした状態が扁桃炎です。扁桃炎が適切に治療されないと、炎症が扁桃周囲にまで広がり、扁桃周囲膿瘍を引き起こします。

治療

治療にあたっては、抗菌薬を使用します。重症である場合には内服ではなく点滴で投与します。また飲水がしっかりとできず、脱水症状になる危険もあるため、やはり点滴による水分補給も行います。また膿を排出することも重要で、口腔から膿瘍に針を刺したり、切開したりして排膿します(扁桃周囲膿瘍切開術)。気道狭窄が起きている場合は、緊急に気管内挿管や気管切開が必要になることがあります。治療によって症状が軽快しても、再発するケースも少なくありません。その場合は、根治的治療として口蓋扁桃摘出術を行います。

慢性扁桃炎

レンサ球菌などが扁桃に常在し、わずかな体調の変化で急性炎症を繰り返す習慣性扁桃炎の原因となることがあります。普段での自覚症状は認めないか、あっても軽度のことが多く、咽頭の刺激感、異常感、咳嗽、微熱、倦怠感、口臭、口蓋扁桃の肥大などがみられることがあります。また、扁桃に慢性炎症が存在し、この扁桃が病巣となって他の臓器に2次疾患を生じる扁桃病巣疾患の原因となることもあり、掌蹠膿疱症、IgA腎症、胸肋鎖骨過形成症等などが知られています。扁桃病巣疾患を疑い、治療の口蓋扁桃摘出術が行われる場合があります。

喉頭癌

喉頭癌は、喉頭と呼ばれる器官にできる癌です。喉頭は、気管の入り口にあり、発声や気道の確保、誤嚥を防ぐ機能を担っており、進行すればこれらの機能を障害するおそれがあります。喉頭癌は、癌全体の発生数の中では0.6%程度と少ないものですが、耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域では最も多い癌の一つです。喉頭癌は発生部位によって、声門上部癌、声門癌、声門下部癌の3つに分類されます。

症状

喉頭癌の症状は、癌が発生した部位によって異なります。
「声門癌」は喉頭癌全体の7割程度を占め、声帯に発生するため、初期症状として声がれ(嗄声)が現れやすく、癌が進行すると呼吸困難や血痰などの症状も出てきます。声門癌は声の変化から早期発見されやすく、約90%が早期癌で発見されます。
「声門上部癌」は初期症状に乏しく、喉の違和感や飲み込みにくさなどの症状が現れることがあります。癌が進行すると声門癌と同様に声がれや呼吸困難、首のリンパ節への転移によるしこりなどが現れることがあります。声門上部癌は早期発見が難しく、多くの場合、進行した状態で発見されます。
「声門下部癌」も初期症状がほとんどなく、癌が進行して声帯に浸潤した時点で、声がれや呼吸困難などが現れます。声門下部癌は発見が遅れることが多く、予後が悪い傾向があります。

原因

喉頭癌の主な原因は、喫煙と飲酒です。喉頭癌の90%が喫煙者にできることから、喫煙は喉頭癌の最も大きなリスク因子と言えます。また飲酒によって発生するアセトアルデヒドも喉頭癌のリスクを高めます。そのほかアスベストへの曝露、声帯の酷使、口腔の不衛生なども原因として考えられています。男性に圧倒的に多く、女性より男性が10倍ほど発生しやすいといわれています。

治療

喉頭癌の治療法は、癌の進行度(ステージ)や患者様の体調や希望によって異なります。
早期癌の場合、放射線治療、内視鏡的切除術、経口的切除術、、喉頭部分切除術、喉頭亜全摘術など、喉頭機能の温存を考慮した治療法が選択されます。進行癌の場合、放射線治療単独ではがんをコントロールすることが難しくなります。喉頭の機能温存と、根治性のバランスを検討し、化学療法、化学放射線療法、喉頭温存手術、喉頭全摘術、頸部郭清術などを治療の効果によって柔軟に組み合わせる集学的治療が行われます。

代用発声

喉頭全摘術により喉頭の発声機能が喪失したとしても、食道発声、電気喉頭、気管食道瘻によるシャント発声などで代用音声を獲得することが可能です。それぞれの方法のメリット、デメリットを考慮し、本人に合った方法を選ぶことができます。

口腔乾燥症(ドライマウス)

口腔乾燥症(ドライマウス)とは、唾液の分泌量が減少し、口の中が乾燥しやすくなった状態です。唾液は口の中の洗浄作用や潤滑作用、抗菌作用、緩衝作用、味物質の味蕾への伝達など、口腔内の健康維持に重要な役割を果たしており、唾液の分泌量が低下すると、様々な口腔内トラブルを引き起こす可能性があります。

症状

口腔乾燥症の初期症状としては、口渇感、口の中のネバネバ感やヒリヒリ感、また重症化すると、咀嚼障害、味覚異常、舌のひび割れ、食事や会話の困難さなどの症状が現れることもあります。さらに唾液の分泌量が低下することで、口腔内の自浄作用が低下し、口腔細菌が増加し、口臭が生じたり、う蝕(虫歯)や歯周病のリスクが高まります。

原因

口腔乾燥症の原因は多岐に渡り、糖尿病・シェーグレン症候群・唾液腺の疾患など全身性の病気、抗うつ剤・鎮痛剤・血圧降下剤・抗ヒスタミン剤・放射線治療など薬や治療の影響、加齢による唾液分泌機能の低下などがあげられます。さらにストレス、緊張状態、自律神経失調症でも唾液分泌量が減少することが知られています。

治療

口腔乾燥症の治療は、原因によって異なります。原因が特定の病気や薬剤の副作用である場合は、その病気の治療や薬剤の変更を検討します。原因の除去が困難な場合、例えばシェーグレン症候群や加齢による口腔乾燥症に対しては、対症療法が中心となります。対症療法としては、スプレー型などの人工唾液や、口腔保湿剤の使用、唾液分泌促進薬の使用漢方薬が有効な場合もあります。また、日常生活では、よく噛んで食事をする、こまめな水分補給、唾液腺マッサージ、口呼吸の改善などが有効です。

急性上気道炎

上気道とは気道の上部つまり、鼻とのど(鼻腔、咽頭、喉頭)を意味します。、急性上気道炎とはこの上気道に炎症が起こっている状態のことです。「かぜ症候群」「感冒」の症状の一部として表現されることもありますし、炎症の部位によって急性鼻炎、急性咽頭炎、急性喉頭炎などと細分し、表現することもあります。ほとんどの場合、ウイルス感染が原因で起こり、一部、細菌が原因となることもあります。

症状

上気道炎の代表的な症状は、鼻水、鼻づまり、喉の痛みです。その他、発熱、頭痛、倦怠感、咳、痰などの症状が現れることもあります。 症状は、ウイルス感染から1〜3日後に現れ、2〜3日でピークを迎え、約1週間続きます。

原因

急性上気道炎は、患者様のくしゃみなどによる飛沫に含まれるウイルスなどの病原体が、鼻や喉といった上気道から感染することで起こります。上気道炎の原因となるウイルスは多種多様で、ライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスなどが挙げられます。

治療

急性上気道炎のほとんどはウイルス感染が原因であるため、抗菌薬は効果がありません。基本的に、安静、水分・栄養補給を心がけることで自然に治癒します。症状を和らげるため、解熱鎮痛剤や鼻症状を改善する薬などを使用することもあります。細菌感染の場合は抗菌薬を使用する場合があります。